こんなはずじゃなかった!母乳育児の現実

育児

産後、「思ってたのとちがーう!」「こんなに大変なんて聞いてなーい!」と大半の新米母が思うこと、それは母乳育児だと思います。

もちろん「大変だ」とは聞いてました。でも、こんなに大変だなんて思ってなかったし、「なにが」大変かさっぱりわかっていませんでした。

今回は、母乳育児の体験談を酸いも甘いもお伝えします。(残念ながら、ほとんど酸っぱい話です。)

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母乳育児とは?

母乳育児とはその名の通り母乳で育児をすることなのですが、一口に母乳育児と言っても色々なスタイルがあります。

完全に母乳のみで育てる「完母」、完全に粉ミルクで育てる「完ミ」、母乳とミルクを併用する「混合」、当初は混合で途中から完母、完母から完ミなんてケースももちろんあります。

産後よく「母乳なの?」と聞かれます。母乳育児についてはなぜだか思い入れが強い人が多いようなのです。もちろん、母乳が子にとっては完全栄養であり、母親の子宮の回復や体重減少にとってもよいことは事実。でも、母乳がなかなか出ない、子の体重が思うように増えない、早期仕事復帰のため完母を続けられない、なにかあった時のためにミルクも飲めるようにしておきたい、など事情や考え方は様々。産後は産前には想定していなかった状況になるかもしれません。あくまでも母と子の状況をふまえて考えることだと思います。

ただ、産院によって母乳育児指導の方向性が異なるため、出産直後にどのような方向性で授乳するかは、その後の授乳の行方を左右することがあります。

産院によって母乳育児指導の方針は異なる!産院入院中の話

みなさんは出産する産院をいつ頃決めたでしょうか?住んでいる場所や環境にもよるとは思いますが、妊娠がわかってすぐに産院を決める方が大半なのではないかと思います。予約のタイミングを逃してしまい、産院探しに苦労された方の話も聞いたことがあります。

さて、なにを基準に産院を選んだか…私の場合は子宮頸癌の手術歴があったので、万が一の場合に備えて手術をした病院で出産をすることにしました。その際に確認したことといえば、場所、費用、無痛分娩を実施しているか、くらい。妊娠がわかってすぐにつわりがはじまったので、落ち着いて考える余裕がありませんでした。第一子の場合、そういう方ってけっこう多いのではないでしょうか?

本来であればここで確認しておくべき大切なことのひとつ、それが「母乳育児についての考え方や指導方針」だと今は思います。

候補となる産院に聞いてみてもいいですし、このようにホームページに書かれている産院もあります。

当センターでは赤ちゃんの心と健やかな成長を願い、できるだけ母乳育児が確立するよう支援しています。
母乳が出ない、あげられないという場合も、よりよい方法をお母さんと一緒に考え支援します。

出典:独立行政法人国立病院機構大阪南医療センター・当センターの母乳育児支援の方針

最終的には赤ちゃんやお母さんの状況によって判断されるとは思いますが、基本的に完全母乳の病院かそうでないかは大きな違いがあるようです。

私の産んだ病院は、特に希望を出さなければ、母乳のあと決まった量のミルクをあげてくださいね、という指導でした。ミルクをあげることが当然、というような流れだったので、おっぱいが出ないこともさほど気にならず、過度なストレスにはさらされなかったです。夜間も赤ちゃんを預かってもらってミルクで対応してもらうこともできました。これは出産直後の疲れた母にとってはとてもありがたいことでした。

一方でどうしても完母でやっていきたいという場合には、このような、お母さんにやさしい方法は有利ではないようなのです。

母子別室で「お母さんはゆっくり寝て、赤ちゃんは新生児室で粉ミルクを飲む」という産院よりは、母子同室で「お母さんがちょっと休んだら、赤ちゃんにおっぱいを頻繁に吸わせる」という方針の産院のほうが、母乳育児に有利です。

出典:「産婦人科医ママと小児科医ママのらくちん授乳BOOK」35ページ

この本では決して母乳育児をやみくもに推奨している訳ではなく、あくまでも母子の状況によって考える前提でこのように書かれています。もしも母乳育児にこだわるならば、完母で指導してくれる病院のほうがよさそうです。

私はここまで深く考えることなく、母にやさしい病院で出産したわけですが、もしかしたらその後の授乳の苦労はここで甘えたことにも一因があるかもしれないと思っています。(勝手に思っているだけで検証のしようもないのですが。)

産院入院中は、授乳前後で子の体重を計って母乳量の確認をしていたのですが、がんばったー!と思って計って10グラムにも達していなくてびっくりしていました。体重計の横にメモがあって、入院中でもびっくりするような量の母乳をあげられている人もいて、私はこのまま出ないのかな?と不安になりました。

その時は急に訪れる、激しい胸の痛みと張り・退院直後の話

産院退院後、しばらくの間産後ケアセンターにお世話になりました。このケアセンターは産院と比較すると母乳育児にこだわりがありました。

そのケアセンターにうつってすぐ、生後7日目の深夜、その時が訪れました。おっぱいの激痛。どうやらこれがおっぱいがたくさんつくられたことによる「張り」だったのです。

ケアセンターにいたのでマッサージしてもらい、あとは冷やしてどうにか少し眠りました。このたくさんつくられた母乳を飲んでもらわないことには解決しないのですが、あげる母も飲む子も初心者。なかなかうまくいかず、おっぱいの激痛は続きます。私はケアセンターにいたおかげでマッサージが受けられたため乳腺炎は回避できましたが、おっぱいに母乳がとどまることによって乳腺炎となり高熱に苦しんだという話はよく聞きます。

当時の育児日記を見ると、葛藤がよくわかります。胸は張り母乳は余っているのでミルクなしにしてみた日もあれば、体重が増えないのでミルクを足している日もあります。

赤ちゃんの吸う力や飲む量、母の母乳の量、母乳の通り道が詰まっていないか、赤ちゃんにとって飲みやすい飲ませ方ができているか…など、あらゆる条件をクリアしてはじめて母乳育児が軌道に乗るんだと、少しずつわかってきたのもこの頃です。

母乳育児・大変だったこと

とにかくおっぱいが痛い

とにかくおっぱいが痛い。

痛いにも2種類あって、1つは母乳が滞っていることによる「張り」、もう1つは乳首が切れてしまうことによる「傷の痛み」。

「張り」に苦しみつつも、次にすぐさまやってきたのは「傷の痛み」。飲み方も飲ませ方もあまり上手ではなかったようで、生後13日目の育児日記にはすでに「左乳激痛で授乳できない」と記載がありました。ある日娘が血液を吐き戻したことがあって、何事かと焦ったのですが、娘の出血ではなく、私の切れた乳首の血液を母乳と一緒に飲んでしまったからでした。

乳首が切れて激痛に見舞われても、授乳を完全にストップすると胸が張って激痛。八方塞がりです。

おっぱいが痛い時の対処方法
  • 赤ちゃんが口にしても大丈夫なクリームを塗る
  • 乳頭保護器を使って授乳する
  • 搾乳器を使って滞っている母乳を出す
  • 授乳姿勢を変える

私が試したのはこのような方法でした。

クリームは気休め程度にはなりましたが、赤ちゃんの口に入ってしまうので、効果の高い薬は使うことができません。

乳頭保護器は、私と娘にはあまり相性がよくなかったようで、なかなか上手におっぱいが吸えず、かといって痛みが完全に抑えられるわけでもなく、数回使って諦めてしまいました。

搾乳機は、産後ケアセンターにいた時は電動のものをお借りできたので、使ってみました。使い始めて3回くらいは大量に搾乳できて、それを哺乳瓶で娘に飲んでもらうことで、母子ともに快適でした。これで解決か!?と思ったのですが、回を重ねるごとにとれる母乳量が減っていくんです。それでも搾乳機がおっぱいに刺激を与えるので胸は張り、行き場のない母乳がおっぱいに滞るようになってしまいました。

このような状態だったので、クリームを塗って気休めしつつ、痛みに耐えて直接の授乳を続けることになりました。そこで試したのが授乳姿勢を変えることでした。

主な授乳姿勢
  • 横抱き
  • 交差横抱き
  • 脇抱き(フットボール抱き)
  • 添い乳

詳しい姿勢の解説は、パンパース・5つの授乳姿勢とアドバイスのページがわかりやすかったです。

当初、横抱きのみで授乳していたのですが、フットボール抱きも取り入れたことで、赤ちゃんとおっぱいの接する角度が変わって、これまでなかなか出なかった部分の母乳がでるようになりました。また、赤ちゃんの口を大きく開けて乳輪が隠れるくらいの状態で飲ませるようにすることが大切だと教わり、意識するようになりました。赤ちゃんもしっかりおっぱいが飲めて、私も胸の張り、乳首の傷ともに少しずつよくなっていきました。

こんなに頻繁に長時間おっぱいをあげるの?

赤ちゃんの月齢の低いうちは頻繁に授乳が必要、もちろん知識としては知っていたのですが、思っていた以上に大変でした。仮に、家族のサポートが十分で、授乳以外は休んでいられる環境だったとしても、けっこう忙しいんです。

よく3時間おきの授乳、と言われます。これだけ聞くと3時間休めるようなのですが、決してそんなことはありません。

まず授乳自体に時間がかかります。赤ちゃんの飲む力が弱いだけでなく、母も子もとにかく不慣れです。私の場合は毎回30分ほどは授乳していました。

母乳の後ミルクを足すことも多かったので、おっぱい(30分)→ミルクの用意→ミルク→寝かしつけ(すぐに寝ることもあれば次の授乳まで全く寝ないことも)→おっぱいのマッサージや傷にクリームを塗る、という授乳からの一連の流れで、特に子がなかなか寝ない場合は、すぐに次の授乳時間となってしまうのです。

産後の母は極力休んだ方がよいと言われますが、この授乳に加えて、家族のサポート次第では、ほかの子のお世話、食事の用意、家事全般、沐浴、おむつ替え、自分のお風呂や食事時間だって必要です。3時間休めるわけでは決してありません。

生後14日目の育児日記には「22:50の授乳から翌1:45の授乳まで泣き続ける。さすがにへこみます…眠い…」と書かれています。この頃完全に昼夜逆転だったので、夜間本当につらかったです。眠った!と思ってもベッドに置くと起きてしまうので、抱いたまま座った姿勢で眠ったこともありました。睡眠が普通にとれるって、贅沢なことです。

それでも増えない子の体重

授乳時間が長くても短くても、おっぱいの量がどのくらいでも、この体重が順調に増えていればひとまずは安心できます。ただ、私の場合はずっと子の体重がなかなか増えないことに頭を悩ませていました。

娘はよく食べるようになった現在(1歳5カ月)でも成長曲線の下限にかかるかかからないかという小柄な体格なので、おそらくそういう体格なだけで心配することではなかったのですが、当時はすごく気にしていました。

まず出産翌日、娘の体重がちょうど100グラム減っていました。これは「新生児の生理的体重減少」というごくごく自然なもので、お腹の中にいた時にためていた便や尿を排出することによって起こるものです。それすら忘れていた私は、この体重減少にびっくり。

そして、まずはこの減少分の体重を戻し、1カ月検診で1キロ増加が目安と教えてもらいます。

ここで母乳orミルク問題に戻るのですが、母乳よりもミルクの方が体重が増えやすく、どのくらいの量飲んだかも正しく把握することができます。

増えない体重と残って張っているおっぱいの間で試行錯誤が続きます。母乳を飲んでほしいので、1日に1回か2回母乳授乳の後にミルクを足すことが多かったです。量は増やしたり減らしたり。結局、1歳を過ぎるまで母乳とミルクの混合での育児となりました。

母乳育児・大変だけど愛おしい

なんだか母乳育児は大変だ、というばかりになってしまいましたが、それでもしばらく経つと軌道にのり、胸の張りも乳首の傷もなくなっていきました。私は2カ月弱くらいでどうにか一山は乗り越えた気がします。

どんどん1回に飲める量も増えるので、授乳回数は減り、授乳時間も減っていきます。(そうこうしているうちに離乳食がはじまるのですが…)

育児情報については医学的根拠があるのかないのか怪しい情報も多く、出産直後で疲れている中、情報に振り回されて疲れてしまうことも多いです。私は最終的に、授乳に関してはこちらの本を参考にしました。「絶対に母乳がいい!」でも、「ミルクの方が絶対に合理的!」でもなく、バランスのとれた情報であること、産婦人科医と小児科医の共著できちんと書籍になっていること、このふたつが私にとってはよかったです。

出産直後は、「つわりの苦しみ、出産の苦しみで終わりじゃなくて、まだおっぱいの苦しみがあったのか…」と思っていましたが、今となってはおっぱいの苦しみは、娘と一緒に乗り越えた感じがあって、良い思い出です。(つわりだけはちっとも良い思い出とは思えません。)

母乳であってもミルクであても、一生懸命に飲む姿は本当にかわいくて、愛おしくて、今思い出しても涙が出ます。哺乳瓶に添えられた小さな手、うとうとしながらおっぱいを吸う瞼、小さなげっぷ…なんだか少し寂しい気分です。

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