4回目の母親学級に行ってきました。テーマは「新生児と入院中のスケジュール・帝王切開」。
いよいよ出産後の話が登場し、その時が近づいていることを感じます。
目次
早期新生児期・出産後すぐに赤ちゃんに起こること
そもそも「新生児期」とはいつまでのことをさすのでしょうか?(私は知りませんでした。)「新生児期」とは、生後28日未満の時期のことです。早期と後期に分けられ、「早期新生児期」は日齢7日未満、「後期新生児期」は日齢7日以降のことをさします。
つまり早期新生児期とは、ほぼ入院中の時期のことで、この間に赤ちゃんに起こることを教えていただきました。
肺呼吸のはじまり
それまで胎盤を通して行っていた呼吸が、自分の肺を使っての呼吸に変わります。当たり前のことだと思っていましたが、改めて言われると、なんて大きな変化なのだろうと思います。
呼吸だけでなく、外の世界にはじめて出て、体温も自分で保たなくてはいけません。また、羊水の中は無菌状態だそうですが、外の世界のバイキンとの戦いもはじまります。
排尿と排便
初回の排尿は、おおよそ24時間以内にあります。
排便は、黒色(胎便)→緑褐色(移行便)→普通便と変化します。
Q. 赤ちゃんのウンチ(胎便、移行便、黄色顆粒便)はどんな色?
A. 赤ちゃんはおなかの中で羊水を飲み込んでいます。
その羊水のウンチは黒緑色で粘り気があり『胎便』と言います。
生後2~4日目ころ、母乳を飲み始めると、黒緑色から少しずつ黄色味のあるウンチ『移行便』に変わっていきます。
母乳を十分に飲むようになると、黄色いつぶつぶのウンチ『黄色顆粒便』になり、一日に何度もでるようになります。
水様便(顆粒がない)、粘液や血液が混入している便、白色便、黒色便が出た時はオムツを持って受診しましょう。
「胎便」という言葉もはじめて聞きました。おなかの中での生活から、こうして外の世界の生活へと移行していくのですね。
生理的体重減少
出生時の体重の5-7%くらい体重が減少します。その後、1-2週間で出生体重に戻り、1カ月検診ではおおよそ出生体重+1キロくらいになります。
Q. 1日にどれくらい母乳を飲めばいいのでしょうか?
A. 母乳の分泌量は、分泌時期も含めて個人差が大きいですが、一般的に1回授乳量は、生後1日では5~7ml、生後3日以後は30~40mlぐらいです。どの赤ちゃんも生後1週間ぐらいまでは、一旦体重が減ってから体重が増え始める(生理的体重減少)ので生後2週間ぐらいまでに体重増加に転じておれば慌てることはありません。生理的体重減少も母乳栄養児であれば10%近く減ることもよくあります。WHOは、生後1~2週間以降から生後1カ月までの1日の体重増加は18g/日以上であれば十分であるとしています。ただ数字だけにとらわれず、赤ちゃんの状態を診ておくことは大切で、活気があり、授乳回数が10~12回/日、排尿回数も7回/日以上であれば心配ないでしょう。
この体重変化も、あらかじめ知っておかないと不安になってしまいそうです。
入院中に行う新生児の検査
黄疸の検査(ビリルビンの測定)
Q. 赤ちゃんに黄疸がありますが大丈夫でしょうか?
A. 黄疸は、血液中のビリルビンという色素が高くなるために皮膚や目の白目が黄色く見える現象をいいます。成人の黄疸とはタイプが異なり日本人の新生児の場合、個人差はありますが、非常に多くの正常な赤ちゃんに認められます。新生児の黄疸は、生後1週間以内の早期黄疸と1週間以後の遷延性黄疸に分けられます。多くの正常な新生児に認められる黄疸ですが、中には基礎疾患がある、いわゆる病的黄疸もあります。特に早期黄疸で急激に黄疸が強くなる場合は、母子の血液型不適合による溶血性黄疸、出血性疾患などがあり専門医の診察が必要です。病的黄疸、生理的黄疸いずれの場合であっても、黄疸の数値(血中ビリルビン濃度)が一定値を超えた場合は光線治療を行いますが、通常はこの処置により軽快しますので安心してください。生後1週間以後に認められる遷延性黄疸は、昔から母乳性黄疸とも言われているように母乳育児によく認められ、生後2週間前後をピークとして生後1カ月から時に2、3カ月ぐらいまで認められることがありますが、多くの場合、体重増加もよく、元気で、排尿排便がいつも通りであれば心配ありません。よく見た目黄疸があるだけで母乳を中止し人工乳に変えてしまう方がおられますが、通常はその必要はありません。ただ生後2週間前後で体重増加が悪く、排便も少ない場合(特に早産児や低出生体重児など)には、一度専門医を受診し、血中ビリルビン濃度が25mg/dlを超えるような場合には、一時的に人工乳の補足もしくは光線治療を行うことがあります。黄疸が収まれば再びいつも通り母乳を与えてかまいません。一時的な黄疸のために、母乳そのものが赤ちゃんに悪い、といった誤った認識を持たないでください。黄疸があり、いつもより元気がない、便の色が白っぽいといった場合は、基礎疾患が潜んでいることもあり専門医に御相談ください。
黄疸には「生理的黄疸」と「病的黄疸」があります。多くが「生理的黄疸」で、光線治療を行います。光線治療を行うことによって、血液中のビリルビンを排出しやすくします。
重症化しやすい「病的黄疸」の場合は、「ビリルビン脳症(核黄疸)」になり、後遺症が残る場合があるため、早期に発見し治療を行うことが大切です。
先天性代謝異常検査(タンデムマス法)
先天性代謝異常等検査について
東京都では、赤ちゃんの病気の早期発見・早期治療のためにフェニルケトン尿症等の先天性代謝異常等の検査を行っています。
これらの病気は、心身の発達に必要なある種の酵素が生まれつき欠けていたり、ホルモン合成の異常が原因でおこるものです。
また、これらの病気は、放置していると、心身の発達に異常をおこしますが、早期に発見し、治療することで発症を防ぐことができます。
平成24年4月1日からタンデムマス法を用いた検査を導入することにより、検査の対象となる疾患が6疾患から19疾患になりました。
また、平成30年4月1日から1疾患を追加し、検査の対象となる疾患が現行の20疾患になりました。
どのような検査ですか?
生後5日から7日(生まれた日を1日とする。)の赤ちゃんの足の裏からごく少量の血液を採って検査します。
聴覚スクリーニング
Q1.
なぜ新生児聴覚スクリーニングを行うのですか?
A1.
聴覚障害は早期に適切な援助を開始することによって、コミュニケーションの形成や言語発達の面で大きな効果が得られるので、早期発見が重要です。
近年、新生児期でも、正確度が高く安全で、かつ、多数の児に短時間で簡便に検査が実施できる検査機器が開発され、新生児聴覚スクリーニングが可能になりました。
平成17年には本邦の出生児の約60%が、聴覚スクリーニングを受けていると考えられます。
この検査はあくまでもスクリーニングで、確定診断ではありません。難聴の可能性がある場合には再検査となり、早期に発見することを目的としているそうです。説明していただいた助産師さんも「心配し過ぎないでくださいね」とおっしゃっていました。
入院中のスケジュール
初産婦か経産婦かに分けて、また、計画分娩、自然分娩、帝王切開それぞれの場合の入院中のスケジュールについて説明がありました。
これは病院によって大きく異なると思うので詳細は書きませんが、入院のタイミング、食事制限、シャワー許可のタイミング、面会時間、産後の指導などについて細かく教えていただくことができました。ちなみに、私の出産予定の病院では、浣腸も剃毛もしないそうです。(帝王切開の場合は剃毛のみ)両方ともなんとなくするものだと思っていたので、少し心配です。
計画分娩(分娩日を人為的に決めて分娩すること)の場合に使う、「ミニメトロ」という水風船のようなものは実物を見せていただきました。子宮口が2-3センチも開いていないような状態の場合には、子宮を柔らかくするために入れます。重い生理痛のような痛みがあることが多いそうです。
帝王切開になるのはどんな時?
予定帝王切開(あらかじめ予定して行う帝王切開)の場合はもちろん、緊急帝王切開(母体や赤ちゃんの状態に応じて急遽行う帝王切開)も含めて、誰しも帝王切開となる可能性があります。そのため、帝王切開になるのはどんな場合かの説明がありました。
- 妊娠高血圧症候群
- 児頭骨盤不均衡(母体の骨盤が小さく、赤ちゃんの頭が大きい場合)
- 婦人科の手術をしたことがある
- 前回帝王切開で出産している
- 子宮筋腫がある
- 微弱陣痛
- 分娩遷延・分娩停止
- 母体発熱
- 逆子
- 臍帯下垂・脱出(赤ちゃんの頭より先にへその緒が下りている状態)
- 胎児機能不全(赤ちゃんの元気がない)
- 回旋異常(産道を通る時に正常な回旋ができない)
オマケ・乳垢のケア
最後に乳垢のケアについてお話が補足的にありました。ほんのオマケとして助産師さんが話をしてくださったのですが、私はこの「乳垢」を知らず、ずっと疑問に思っていたので、本当に助かりました。
「乳垢」とは、その名の通り乳首の垢のことで、乳首の先端に白っぽいカスのようなものがつきます。分泌された母乳が固まったもので、私は妊娠初期からありました。最初はそれがなにかわからず、ごしごしこすって洗っていたのですが、これは乳首を傷つけるのでよくなかったと後から知りました。
- 1. オイル(ベビーオイルでもクレンジングオイルでもよい)を乳首に塗る
- 2. 5-10分程度ラップをして待つ
- 3. 洗い流す
ちなみにこのケアは刺激を与えないので、妊娠週数を問わず行ってもよいそうです。おっぱいマッサージについては、私の出産予定の病院では正産期である37週以降になってから、とのことでした。
全4回の病院の母親学級を終え、いよいよ出産の時が近づいてきました。無理せず準備をすすめていきたいと思います。